量子計算と量子情報の原理 第2章 量子力学入門 線型ベクトル空間

ディラック記法

この本ではベクトルを表す記法としてディラックのそれが採用される。つまり、複素数\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_nのn次ベクトルを|\alpha\rangleと表す。これらベクトルには通常通り、加算における交換律や結合律、乗算における分配律が成り立ち、ゼロ元、単位元、そして補元の存在が仮定される。なお、ゼロ元、単位元に関しては、|0\rangle|1\rangleという表記せず、単に01と書かれる。

線型独立

ベクトル|\alpha_1\rangle,|\alpha_2\rangle,...,|\alpha_n\rangleに対して、
  c_1|\alpha_1\rangle+c_2|\alpha_2\rangle+...+c_n|\alpha_n\rangle=0
が、c_1=c_2=...=c_n=0なる複素数c_1,c_2,...,c_nに対してのみ成り立つとき、それらベクトルは線型独立であると言われる。

ノルム

コーシー・シュバルツの不等式