『中世哲学への招待』(八木雄二著、平凡社刊)

ちょろっと読書メモ。

社会制度としてのキリスト教

個人の信仰の対象としてだけではなく、社会の統治ツールとしてキリスト教はあったので、「神の存在証明」というものが必要となった。

中世も近代も「科学的」である

違うのは、その対象が「神(=非物質的なもの)」か、「もの」か、ということだけ。

型破りなアンセルムス

「なぜ神は人(イエス)になったのか」の論理的根拠を探求。こんなことは、それまでの人は考えもしなかった。

ヨーロッパの個性

ヨーロッパにおける「個性」とは、各々の情緒的性質を尊重するものではなく、その根拠を知的教養のうちに持っている。情緒は身体に発するものであって尊重に値するものではなく、尊重に値するのは知的教養の独自性である。